夫が定年退職し年金受給者となる。妻は国年に加入しなければならないか【平成4年:事例研究より】

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私(昭和6年3月生まれ)は、今年3月で60歳定年退職となります。

退職後は厚生年金(老齢年金)を受給します。

夫が定年退職した後の妻の保険料はどうなるのでしょうか。

現在、妻(昭和8年6月生まれ57歳)は、私の厚生年金保険料に含まれるため、自分で支払っていません。

年金生活者となっても、妻は自分で保険料を支払わなければなりませんか。

【熊本・M男】

あなたが退職した後は、奥さんは自分で国民年金に加入し、保険料を払わなければなりません。

60歳定年退職となり、特別支給の老齢厚生年金を受けられるようになるため、年金受給者の奥さんは、国民年金は任意加入ではないかという疑問とも思われますが、年金受給者の妻は任意加入ではなく、強制加入です。

20歳以上60歳未満で日本に住んでいる人は、原則として国民年金に加入することになっています。

サラリーマンは厚生年金に加入していますが、同時に国民年金にも加入しています。

サラリーマンで厚生年金に加入している人に扶養されている奥さん(配偶者)で、自分自身で厚生年金に加入していない20歳以上60歳未満の人は、第3号被保険者となっています。

第3号被保険者は、自分で保険料を支払う必要はありません。

第3号被保険者の国民年金の保険料は、夫が加入している厚生年金から一括して支払われているからです。

あなたが定年退職し、サラリーマンでなくなってしまうと、奥さんの保険料はどこからも支払われなくなります。

退職後は、奥さんは第3号被険保者でなくなり、自分で保険料を支払う第1号被保険者となります。

奥さんは、第3号被保険者から第1号被保険者に変わるわけですから、種別変更の届出を市町村役場に提出しなければなりません。

届け出た後は、60歳になるまで自分で保険料を支払って国民年金に加入することになります。

第3号被保険者、第1号被保険者と加入の仕方は違っても、保険料を支払った期間はすべて老齢基礎年金の額に反映されます。

もし、奥さんが、保険料を支払わないと、65歳から受給する老齢基礎年金の額は少なくなります。

奥さんは昭和8年6月生まれですから、加入可能年数は30年です。

30年に足らない場合には、60歳以後も65歳になるまで国民年金に任意加入し、その期間分増額させることもできます。

【平成4年:事例研究より】