産前6週の予定で7週休んだが、出産遅れたら欠勤扱いか【平成15年:事例研究より】

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出産予定日の6週間前から出産休暇に入った女性が、予定日より1週間遅れて出産しました。

就業規則の規定では、出産休暇は産前6週間、産後8週間となっていますが、超過した6週間前のI週間は欠勤扱いにしてよいのでしょうか。

【秋田 T社】

労基法第65条は、女性労働者の産前産後め休業期間を定め、産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後8週間としています。

行政解釈は、「産前6週間の期間は自然の分娩予定日を基準として計算するものであり、産後8週間の期間は現実の出産日を基準として計算するものである」(昭26・4・2婦発第113号)とされています。

分娩予定日は産前6週間に含まれると解されています。

したがって、分娩予定日を入れて6週間前より産前休暇に入ったところ、予定日より遅れて出産した場合には、予定日から出産当日までの期間は産前休暇として取り扱わなければなりません。

実際の出産日から6週間を超えた日数を欠勤扱いすることは許されません。

予定日より遅れた1週間も産前休暇です。

年次有給休暇の8割の出勤率の計算でも、「6週間以内に出産する予定の女性が、労働基準法第65条の規定により休業したところ、予定の出産日より遅れて分娩し、結果的には産前6週間を超える休業は、法第39条第1項及び2項の適用については出勤として扱わなければならない」(昭23・7・31基収第2 6 7 5号)とされています。

産後8週間(強制休業は6週間)は、現実の出産日を基準とするものですから、産前休暇の期間に関係なく、産後休暇として取り扱わなければなりません。

したがって、出産日の翌日から8週開か産後休暇です。

実際の出産が予定日より遅れたことにより産前休暇が6週間を超えても、その日数分だけ産後休暇を短縮することはできません。

産前6週間は短縮したり、延長したりすることがあるわけですが、産後8週間は確定した期間となります。

ご質問の場合と逆に、分娩予定日より1週間早く出産し、産前5週間しか休業していなかったとしても、残りの1週間が産後休暇に持ち越されることはありません。

なお、健康保険では、被保険者がお産のため会社を休み、賃金が受けられなかった場合には、分娩日(分娩が予定日より遅れた場合は分娩予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から分娩日後56日までの期間、出産手当金として1日につき標準報酬日額の6割が支給されます。

予定日より遅れて出産した場合、出産手当金の支給期間が分娩予定日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から分娩日後56日の範囲内となっていますので、実際に出産した日までの期間にも支給されます。

たとえば、実際の出産が予定日より1週間遅れたという場合、その1週間についても出産手当金が支給されます。

【平成15年:事例研究より】