家族介護も対象にした給付の内容教えて【平成15年:事例研究より】

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業務災害により、せき髄を損傷し、障害等級第2級となりました。

日常生活に著しい不便を感じています。

家族から介護を受けたとき、労災保険から、介護補償給付を受けられると聞いたのですが、どのような条件があるのでしょうか。

【福岡 R男】

労災保険では、従来、重篤な障害をもつ方に労働福祉事業から介護料を支払っていましたが、平成8年に保険給付として介護補償給付を支給することとしました。

介護補償給付は、厚生労働省令で定める程度の障害により、介護を要する場合に支給されます。

正式な保険給付となった背景には、近年、家庭で十分な介護を受けられず、民間事業者から介護サービスを受けるケースが増えているという事情があります。

しかし、ご指摘のように、家族が介護に当たった場合にも、請求が可能です。

介護補償給付の対象となるのは、「常時介護を要する状態」か、「随時介護を要する状態」のいずれかにある場合です。

その基準は、労働者災害補償保険法施行規則別表第3に定められています。

たとえば、随時介護では、 ・神経又は精神の障害により障害等級第2級系統 ・精神障害 ・胸腹部臓器の障害により障害等級第2級 ・障害等級第1級(常時介護に該当する場合を除く) などが挙げられています。

お尋ねの場合、神経系統の障害で第2級なので、随時介護の介護補償給付の請求ができるでしょう。

ちなみに給付の額は、 ・介護費用を支出したときは、10万6,100円(随時介護は5万3,050円)を上限としてその費用 ・家族が介護したときは、5万7、580円(随時介護は2万8,790円)。

ただし、支出した費用がこの金額に満たないときを含みます。

【平成15年:事例研究より】