渡すべき相手先や記載事項などMSDSの義務内容教えて【平成15年:事例研究より】

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最近、MSDS制度ということばを耳にする機会が増えていますが、具体的にはどのようなものでしょうか。

事業主に課せられている義務内容も教えてください。

【宮崎 Y社】

わが国の産業界で使われている化学物質は、約5万5、000種類を超えており、さらに、毎年500〜600種類の新規の化学物質が新たに労働の現場に導入されています。

一方、化学物質による業務上の疾病は、全国で年間300〜400件発生しており、その件数は横ばいに推移しています。

これらの化学物質等による労働災害には、事業者および労働者が化学物質等の危険有害性、適切な取扱い方法等を知らなかったことが原因とされるものがみられます。

この背景には、化学物質等の危険有害性を外見から判断することは非常に困難であること、化学物質等はさまぎまな種類のものが各事業場で使用されていること、事業者および現に化学物質を取り扱っている労働者に化学物質等の危険有害性等に関する情報が十分に周知されていないこと等があります。

このような状況から、平成12年4月に労働安全衛生法が改正され、健康障害を生ずるおそれのある化学物質として、労働安全衛生法第56条の製造許可対象物質および労働安全衛生法施行令第18条の2に定める631物質については、これらのものを譲渡・提供する者は、相手先に化学物質等安全データシート(MSDS・MaterialSafety Data Sheet)を交付することにより必要な事項を通知する義務が課せられることとなりました。

通知内容は、 ①名称、 ②成分及びその含有量、 ③物理的及び化学的性質、 ④人体に及ぼす作用、 ⑤貯蔵又は取扱い上の注意、 ⑥流出その他の事故が発生した場合において講ずべき応急措置、 ⑦通知を行う者の氏名、 となっています。

また、同法第101条第2項において、通知された事項を作業場の見やすい場所に常時掲示し、また備え付ける等の方法により労働者に周知させなければならないことも併せて義務づけられました。

ところで、化学物質による健康障害の防止のためには、MSDSを化学物質の提供元から入手して、労働者に周知すれば十分ということではありません。

化学物質を取り扱う場合、その危険・有害性を把握したうえで、実際の取り扱い作業におけるばく露の程度や健康影響の評価を行い、それが容認できる程度のものなのか検討する必要があります。

容認できる程度でなければ、ばく露を防止し、または低減するための措置を講じ、容認できる程度となるまで検討を繰り返すことになります。

これをリスクアセスメントといい、MSDSはリスクアセスメントを実施するための重要な情報源の一つとなります。

このように有害性の情報が記載されたMSDSを交付する制度により、事業者および労働者がその危険有害性を十分理解し、化学物質による健康障害を防止するための措置が講じられることを目的としておりますので、事業場においてもこの制度の趣旨をご理解いただいたうえで活用を図っていただきますようお願いいたします。

MSDSに関連する労働安全衛生規則 (名称等を通知すべき有害物) 第34条の2の2令別表第9第632号の厚生労働省令で定める物は、同表第1号から第631号までに掲げる物をその重量の1パーセント(ベンゼンにあつては、容量の1パーセント)を超えて含有する製剤その他の物とする。

(名称等の通知) 第34条の2の3法第57条の2第1項及び第2項の厚生労働省令で定める方法は、磁気ディスクの交付、ファクシミリ装置を用いた送信その他の方法であって、その方法により通知することについて相手方が承諾したものとする。

第34条の2の4法第57条の2第1項第7号の厚生労働省令で定める事項は、同項の規定による通知を行う者の氏名(法人にあつては、その名称)及び住所とする。

第34条の2の5法第57条の2第1項の規定による通知は、同項の通知対象物を譲渡し、又は提供する時までに行わなければならない。

ただし、継続的に又は反復して譲渡し、又は提供する場合において、既に当該通知が行われているときは、この限りでない。

第34条の2の6法第57条の2第1項第2号の事項のうち、成分の含有量については、重量パーセント(ベンゼンにあつては、容量パーセント)を通知しなければならない。

この場合におけるパーセントの通知は、10パーセント未満の端数を切り捨てた数値と当該端数を切り上げた数値との範囲をもって行うことができる。

【平成15年:事例研究より】

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