本人に落度のない加入漏れ等の場合の教育訓練給付はどうなる【平成16年:事例研究より】

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新米の社労士ですが、教育訓練給付金についていくつか質問があります。まず、申請のために被保険者期間を調べたところ、現在の会社では加入手続きが取られていないと分かったとき、給付金の受給は不可能なのでしょうか。

次に、勤務先から海外支店への転勤を命じられたとき、海外に居住しながら受講できないでしょうか。

最後に、病気などで教育訓練を継続できなくなったとき、経費はすべて自己負担となるのでしょうか。

【東京・H社労士】

この場合、本人がハローワークに対して被保険者資格の遡及確認を請求する.ことが可能であり、ハローワークでは、調査によって事実が明らかになれば、最大2年間遡って被保険者資格を確認することとなります。

そして、この遡及された被保険者資格期間を含めて、改めて受給資格を判断して支給の可否を決定することになります。

海外勤務のとき 教育訓練給付金は、支給申請時点での住居所がいずれであっても、雇用保険法第60条の2に定められた支給要件を満たし得るものであるため、支給申請時点で国外に居住する受講者からの支給申請については、不支給とする扱いは法令上困難です。

そこで、支給申請時点で国外に居住する受講者からの支給申請を行いたいとの問い合わせがあった場合は、国内の代理人によって、代理人の住居所を管轄する安定所に対して申請していただくのが一般的な方法です。

この場合の本人・住居所確認書類については、外国においては住民票自体が存在しないなど、定型化できないため、具休的には、外国政府が発行する身分証明書・運転免許証、本人の外国への転勤・出向の事実と外国における住居所を証明する事業主の発行する書類(在職者の場合)、本入宛に郵送された公共料金等の請求書、本人宛に郵送された複数の郵便物等で確認をとることになります。

なお、教育訓練給付金は、国内の本人名義の金融機関に振込みを行います。

代理人による代理受給や、ハローワークによる海外送金を行うことはできません。

病気で断念のとき 各教育訓練施設においては、予めその施設の修了認定基準を、出席率や終了試験の合格点等の客観的な指標によって定め、その基準に則って適正に修了を認定することとされています。

病気等の理由により途中退校された場合であっても、その時点で当該講座が目的とする職業能力の開発・向上が図られたか否かの観点で、当該施設が、当該施設の修了認定基準に照らして実質的に修了しているか否かを判断し、実質的に修了しているとみなせる者に対しては、修了証明書を発行します。

公共職業安定所では修了証明書が発行されたことをもって、対象教育訓練が修了したことを確認します。

【平成16年:事例研究より】