手続き用語でみかける「みなし」とはどんな意味か【平成16年:事例研究より】

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私は、最近、社内で雇用保険の雇用継続給付に関する届出を担当するようになりました。

申請の際によく出てくることばのなかに、その定義がよく分からないものがいくつかあるのですが、被保険者であった期間、みなし被保険者期間、みなし賃金月額、休業開始時賃金日額、賃金月額、みなし賃金額の各用語について説明してください。

【北海道・I社】

被保険者期間 基本手当の受給資格の有無を判断するための期間で、雇用保険の被保険者資格の喪失応当日から次の喪失応当日の前日までの1ヵ月間に、賃金支払基礎日数が14日(短時間労働被保険者の場合は11日)以上あれば、その期間を1ヵ月(短時回労働被保険者の場合は2分の1ヵ月)として計算するものです。

過去の期間を通算することは可能ですが、受給資格を取得したことがある場合には、その受給資格に係る被保険者期間を通算することができないこととされています。

みなし被保険者期間 育児休業給付の支給が可能か否かを判断する期間で、育児休業開始日を喪失応当日とみなし、喪失応答日から次の喪失応当日の前日までの1ヵ月間に賃金支払い基礎日数が11日以上あれば、その期間を1ヵ月として計算するもので、被保険者資格を喪失していないのに喪失したとみなすため、「みなし」被保険者期間と称されています。

被保険者期間と異なり、受給資格を取得していても取得の決定を受けていなければ通算できます。

被保険者であった期間 「算定基礎期間」と同じ意味です。

被保険者であったすべての期間で、1日単位で計算します。

被保険者資格の喪失と取得の開か1年以内である限り、過去の期間を通算することが可能であり、また、被保険者期間の通算と異なり、受給資格が取得され、もしくは取得が決定されていても、基本手当を受給していない限り、その受給資格に係る被保険者であった期間も通算できます。

「被保険者期間」との混同に要注意。

みなし賃金日額 高年齢雇用継続給付金に係る賃金日額のことです。

離職したとみなして算定するため、「みなし賃金日額」と称されています。

なお、「賃金月額」は、このみなし賃金日額を30倍したものです。

賃金月額 みなし賃金日額もしくは休業開始時賃金日額を30倍したもの。

法令上は、高年齢雇用継続給付に関してのみ「みなし賃金月額」と称し、あくまで様式上の用語です。

休業開始時賃金日額 育児休業給付に係る賃金日額。

みなし賃金 実際に支払われた賃金に、支払いを受けることができなかった賃金を加えて算定した賃金のこと。

高年齢雇用継続給付において、60歳以上の賃金(月額)が賃金月額より低いか否かを判断するに当たり、一定の理由で支払いを受けられなかった賃金を、支払われたものとみなして算定します。

【平成16年:事例研究より】