期間は1日だけ、辞職日に満額の年金?【平成16年:事例研究より】

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私は、今年の3月1日に退職します。

3月分の年金ですが、在籍するのは1日だけです。

この場合、年金はどのように計算するのでしょうか。

ほぼ満額もらえると考えていますが、どうでしょうか。

【埼玉・Y男】

年金は、1ヵ月分と定められた金額が、全額出るか、ゼロになるか、二つに一つです。

3月1日で退職すると、資格喪失日はその翌日になります。

被保険者たった日は1日、そうでない日は30日になりますが、年金を計算するときは日割り按分などしません。

厚生年金法附則第11条では、「受給権者が被保険者である月」について在職老齢年金を適用すると定めています。

貴殿の場合、3月1日は被保険者だったのですから、3月については従来の規定に従った在職老齢年金がそのまま支給されます。

被保険者たった日の日数は、関係してきません。

退職時の年金額を処理する場合、もう一つ「退職時改定」に関しても覚えておくとよいでしょう。

厚生年金法第43条第2項では、「受給権者がその権利を取得した月以降における被保険者であった期間は、その計算の基礎としない]と原則論を述べています。

在職老齢をもらっている期間は、毎月被保険者期間が1月ずつ増えていくわけですが、それに応じて年金を増やすような処理はしません。

しかし、第3項で「資格を喪失した日から起算して1月を経過した日の属する月から、年金の額を改定する」と規定しています。

ですから、貴殿の場合、1月を経過した日の属する月は4月になるので、4月からは在職老齢年金の退職期間分も含め、増額された年金が満額支給されます。

【平成16年:事例研究より】