法改正で日雇い特例の条文が見当たらないが呼名を変更したのか【平成16年:事例研究より】

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健康保険法が改正される以前、日雇特例被保険者のことを「法第69条の7被保険者」などと呼んでいましたが、旧第69条の7は、改正でどこかへ消えてしまいました。

これから、日雇特例被保険者のことを別名、何と呼ぶべきでしょうか。

【兵庫・A社】

健保の事務に携わる者は、長い問、法第69条の7被保険者という呼び名になじんできました。

しかし、平成14年10月の改正法施行で大幅な条文の並べ替えが実施され、これまでの呼び名をそのまま使うのは、実態にそぐわなくなりました。

以前は、法第69条の4に「日雇労働者」を定義する条文があり、それを受けて法第69条の7で「日雇特例被保険者」の範囲を限定するというスタイルを取っていました。

しかし、改正法では、まず第3条第2項で「日雇特例保険者」を限定し、第3条第8項で「日雇労働者」を定義しています。

表記がカタカナからひらがなに変わったほか、表現にも若干変更がありますが、基本的な考え方はこれまでと同じです(別掲)。

ですから、日雇特例被保険者は、「法第3条第2項被保険者」、「日雇労働者」は「法第3条第8項労働者」と呼ぶことになります。

このほか、たとえば任意継続被保険者を「法第20条被保険者」というケースもありましたが、「法第3条第4項被保険者」に変わりました。最初は戸惑うでしょうが、定義関連が第3条に一括され、全体の組立はわかりやすくなりました。

健保法第3条第2項

この法律において「日雇特例被保険者」とは、適用事業所に使用される日雇労働者をいう。ただし、次の各号のいずれかに該当する者として社会保険庁長官の承認を受けたものは、この限りでない。

  1. 適用事業所において、引き続く2月間に通算して26日以上使用される見込みのないことが明らかであるとき。
  2. 任意継続被保険者であるとき。
  3. その他特別の理由があるとき。
同条第8項

この法律において「日雇労働者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

  1. 臨時に使用される者であって、次に掲げるもの(同一の事業所において、イに掲げる者にあっては1月を超え、口に掲げる者にあっては口に掲げる所定の期回を超え、引き続き使用されるに至った場合(所定地の一定しない事業所において引き続き使用されるに至った場合を除く)を除く。)
    • イ.日々雇い入れられる者
    • 口.2月以内の期間を定めて使用される者
  2. 季節的業務に使用される者(継続して4月を超えて使用されるべき場合を除く)
  3. 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して6月を超えて使用されるべき場合を除く)

【平成16年:事例研究より】