在職老齢と高年齢給付の調整は給与の増減で支給停止額が変動するのか【平成16年:事例研究より】

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高年齢雇用継続給付と老齢厚生年金の調整で、質問があります。

年金がストップする率(併給調整率)は、定年時に比べ、どれだけ賃金が下がったかに比例すると聞きます。

そうすると、所定外給与の増減等に合わせ、給料が変動した場合、年金がストップする率も、月ごとに変わるのでしょうか。

【鹿児島・I社】

定年後、再雇用などで働く人の収入は、会社からもらう賃金、高年齢雇用継.続給付、在職老齢年金の3本立てで構成されるのが普通です。

しかし、高年齢雇用継続給付と在職老齢年金は、両方を全額受け取ることはできません。

高年齢雇用継続給付が優先で、在職老齢年金が減額される仕組みになっています。

減額する率は、ご指摘のとおり、「定年時に比べ、どれだけ賃金が下がったか」に応じて決まります。

しかし、どれだけ賃金が下がったかを計算する際、現実に月々支払った賃金は用いません。

具体的な規定をみてみましょう。

賃金の低下率は、定年時のみなし賃金月額と標準報酬月額を比較して、決定します。

定年時のみなし賃金月額は、「60歳に到達するまでの6ヵ月間に支払われた賃金の総額を180で除した額」と定義されています。

いわゆる、雇用保険法でいう「賃金日額」のことです。

これは、もちろん、定年時に固定で決まります。

標準報酬月額は、定年時の資格得喪の手続により、決定されますが、こちらも原則固定です。

ですから、「定年時に比べ、どれだけ賃金が下がったか」という賃金低下率は、確定値で定まり、以後、月々変動することはありません。

賃金が定年時の61%未満に低下した場合、在職老齢年金の支給停止率は6%です。

その後、仮に時間外等が増え、毎月の賃金が標準報酬月額を大幅に上回ったとします。

その結果、各月の受け取り賃金が定年時の61%を超えたとしても、都度、調整が実施されることはありません。

併給調整率は、6%のままです。

【平成16年:事例研究より】