国年を含め加入21年になる58歳の女子、退職すれば特例ですぐ年金を受給できるか【平成4年:事例研究より】

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当社の女子従業員(昭和8年4月13日生まれ)は58歳となり、この4月に退職します。

ずっと専業主婦で、厚生年金の加入期間は11年しかありません。

しかし、当社に勤務する前に10年ほど国民年金に加入しています。

年金の加人期間は20年以上ありますので、女子の特例(昭和8年生まれは56歳)により、退職すればすぐ年金を受給できますか。

【三重・O社】

老齢の年金を受けるためには、老齢基礎年金の受給資格期間(原則として25年以上)を満たす必要があります。

しかし、厚生年金の加入者で、昭和27年4月1日以前に生まれた人は、厚生年金の加入期間が20年で老齢基礎年金の受給資格期間を満たします。

また、昭和22年4月1日以前に生まれた人は男子は40歳以後、女子は35歳以後の厚生年金の加入期間が15年以上あれば、中高齢の特例により受給資格期間を満たします。

厚生年金の加入期間が20年以上(35歳以後15年以上でも可)あって退職している人は、女子の支給開始年齢の特例により60歳になる前(生年月日に応じて55歳〜59歳)から特別支給の老齢厚生年金が受けられます。

しかし、この女子の支給開始年齢の特例の対象となるのは、厚生年金の加入期間だけで20年(35歳以後15年)以上ある場合に限られています。

厚生年金と国民年金を合わせてとか、国民年金の加入期間だけではこの特例に該当しません。

ご質問の場合、厚生年金の加入期間は11年しかありませんから、60歳前に特別支給の老齢厚生年金を受けることはできません。

受給できるのは60歳からとなります。

厚生年金の加入期間11年、国民年金の加入期間10年、計21年になり、ずっと専業主婦であったとのことですから、国民年金に任意加入しなかった「ヵラ期間」を合わせ、25年の受給資格期間を満たしているものと思われます。

老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていれば、60歳から厚生年金の加入期間11年に応じた特別支給の老齢厚生年金が受けられます。

また、65歳からは厚生年金の加入期間と国民年金に実際に加入した期間を合わせた老齢基礎年金と厚生年金の加入期間分の老齢厚生年金が受けられます。

なお、退職した後は60歳になるまで国民年金に加入しなければなりません。

【平成4年:事例研究より】