加入期間17年で退職する女子、年金受給資格はどうなる【平成4年:事例研究より】

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56歳になる女子です。

41歳のとき現在の会社に入り、そのとき初めて厚生年金に加入しました。

現在も引き続き加入中ですが、会社の定年は58歳です。

定年まで加入しても、加入期間は17年にしかなりません。

厚生年金を受給するには20年の加入期間が必要だとか、25年の加入期間が必要だとか聞きますが、17年でも年金受給の資格はつくでしょうか。

【北海道・E子】

国民年金、厚生年金のいずれに加入していても、老齢の年金を受けるためには、老齢基礎年金の受給資格期間(原則として25年以上)を満たす必要があります。

しかし、旧制度の厚生年金では、20年以上の加入で老齢年金が受けられました。

新制度への移行措置として、昭和27年4月1日以前に生まれた人は、厚生年金の加入期間が20年で老齢基礎年金の受給資格がつきます。

27年4月2日以後に生まれた人は、受給資格期間が1年ずつ長くなり、31年4月2日以後に生まれた人から25年以上となります。

また、旧制度の厚生年金には、男子は40歳以後、女子は35歳以後の厚生年金の加入期間が15年以上あれば、老齢年金を受けられるという中高齢の特例がありました。

新制度でも、昭和22年4月1日以前に生まれた人は、この特例が適用され、厚生年金の加入期間15年で受給資格期間を満たします。

特例による受給資格期間の短縮も1年ずつ長くなり、26年4月2日以後に生まれた人には適用されません。

あなたは、56歳で昭和10年生まれのようですから、中高齢の特例にあてはまり、35歳以後の厚生年金の加入期間15年で受給資格がつきます。

現在までの厚生年金の加入期間が15年を超えていれば、いま退職されても受給資格はあります。

女子には、厚生年金を受けはじめられる年齢にも特例があります。

特別支給の老齢厚生年金は60歳からですが、旧の厚生年金では女子の場合、退職していれば、55歳から受給できたため、新制度でも厚生年金の加入期間が20年(35歳以後15年)以上ある一定年齢以上の女子は、退職すれば60歳になる前から特別支給の老齢厚生年金が受けられます。

あなたは、昭和10年生まれですから、退職すれば57歳から特別支給の老齢厚生年金が受けられます。

ですから58歳で定年退職すれば、そのときから受けられます。

【平成4年:事例研究より】