災害発生日の賃金は1日分全額支払うか【平成15年:事例研究より】

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労災事故が発生した場合、労災保険から休業補償給付が支給されない最初の3日間については、事業主が60%の休業補償をしなければなりませんが、災害発生当日には賃金1日分全額を支払うべきでしょうか。

それとも労働した時間分の賃金を支払うことでよいでしょうか。

【茨城 O社】

休業最初の3日間(待期期間)については、労災保険の休業補償給付は支給されず、事業主が休業補償を行わなければなりません。

労働者が所定労働時間内に業務災害をこうむり労働不能となった場合、その災害発生当日の賃金を全額支払うかどうかは、就業規則、労働協約の定めによります。

月給制の場合には、賃金が全額支払われる場合が多く、時間給の場合は、実際に労働した時間分の賃金が支払われる場合が多いといえます。

災害当日の賃金が全額支払われる場合には、その日の休業補償が行われたものとして取り扱われます。

労働した時間分の賃金しか支払わない場合には、労基法施行規則第38条は「労働者が業務上負傷し又は疾病にかかったため、所定労働時間の一部分のみ労働した場合においては、使用者は、平均賃金と当該労働者に対して支払われる賃金との差額の100分の60の額を休業補償として支払わなければならない」と規定しています。

平均賃金と所定労働時間の一部労働に対する賃金との差額の60%が休業補償の額となります。

【平成15年:事例研究より】