退職1ヵ月前まで半年間無給休職、基本手当の受給資格はどうなるか【平成4年:事例研究より】

トップ » 入社・退社時の手続き » 退職、退社に伴う退職金や健康保険

長年勤務した会社をこのたび退職することとなりましたが、退職の1ヵ月ほど前まで病気のため6ヵ月間の療養生活を送りました。

この間は休職扱いで無給でしたが、このような場合でも基本手当の受給資格があるのでしょうか。

【三重・H男】

基本手当の支給を受けるためには、被保険者が離職した場合において、原則として離職の日以前の1年間(当該1年間に短時間労働被保険者であった期間がある場合には、1年間と当該1年間において短時間労働被保険者であった期間とを合算した期間。

以下「算定対象期間」といいます)に被保険者期間が通算して6ヵ月以上であることが受給要件とされていますが、たまたま病気やけがなどの偶発的な理由により離職前の一定期間賃金の支払いを受けられなかったために受給要件を満たすことができないような場合には、次のように受給要件の緩和を行うこととされています。

つまり、算定対象期間に病気やけがなどの理由によって引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった被保険者については、その理由により賃金の支払いを受けることができなかった日数をこの期間に加算した期間(ただし、最高限度を4年間とします)内に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あれば、基本手当の受給資格があることになります。

受給要件の緩和が認められる理由は、次のとおりです。

1.疾病または負傷 この場合の疾病または負傷は業務上、業務外の別を問いません。

2.事業所の休業 事業所の休業により労働者が賃金支払いを受けることができない場合とは、事業主の責めに帰すべき理由以外の理由による事業所の休業による場合です。

事業主の責めに帰すべき理由による場合には、労働基準法の規定により休業手当の支払いが行われることになるので、たとえその休業手当の支払いを受けることができなかった場合に該当しません。

3.出産 出産は本人の出産に限られます。

出産のために欠勤したと認められる期間は、通常は出産予定日の6週間前の日から出産後8週間を経過する日までの間です。

なお、労働協約により出産を理由とする休業期間中の解雇制限条項が設けられており、解雇制限期間が出産前について6週間以上、出産後については出産日の翌日から8週間以上となっている場合は、その期間を出産のため欠勤した期間として取り扱います。

4.事業主の命による外国における勤務事業主の命による外国における勤務とは、いわゆる海外出向と称されるもので、事業主との雇用関係を存続させたまま、事業主の命により一定期間海外にあるわが国の雇用保険の適用されない事業主のもとで雇用されるような場合です。

5.1.から4.までに掲げる理由に準ずる理由で、管轄公共職業安定所長がやむを得ないと認めるもの したがって、ご質問の場合は離職の日以前に1年間(当該1年間に短時間労働被保険者であった期間がある場合には1年と当該1年間において短時間労働被保険者であった期間とを合算した期間)に6ヵ月を加算した期間内に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あれば、基本手当の受給資格があることになります。

【平成4年:事例研究より】