喪失後に受胎し流産したが、分娩給付受給はできるか【平成15年:事例研究より】

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資格喪失の日の前日まで被保険者期間が1年以上ある女性が、資格喪失から6ヵ月以内に出産した場合には、出産育児一時金、出産手当金が支給されますが、被保険者資格を喪失してから受胎し、6ヵ月以内に流産した場合にも、出産育児一時金、出産手当金の出産給付を受給できるのでしょうか。

【石川 M社】

資格喪失後に受胎したことが明らかであっても、妊娠4ヵ月を超え、資格喪失後6ヵ月以内に分娩した場合には、出産育児一時金、出産手当金の支給が行われます。

健康保険法第106条には、1年以上被保険者であった者が、資格を喪失した日後6ヵ月以内に出産したときは、出産につき被保険者として受けることができるはずであった保険給付を受けることができると規定されています。

この出産とは、妊娠4ヵ月以上の出産であれば、出産に限らず、死産、流産、早産のいずれも給付の対象となります。

また、資格喪失後6ヵ月以内という期間は、資格喪失日から起算されますから、たとえば、2月28日に退職し、3月1日に資格喪失の被保険者は、同年8月31日までに分娩すれば、出産育児一時金、出産手当金を受けることができます。

①妊娠4ヵ月以上②6ヵ月以内の分娩が要件ですから、この2つを満たせば、資格喪失後の受胎でも受給権があります。

【平成15年:事例研究より】