結婚退職の女子社員は扶養者より任継が得というが本当か【平成15年:事例研究より】

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当社を退職後、任意継続被保険者になっていた女性社員がいます。

結婚後、すぐに夫の被扶養者にならず、任継資格を保持していたほうが、給付面で得ではないか、と聞かれたのですが、どう答えたらよいでしょうか。

【愛知 I社】

任意継続被保険者は、事業所勤めの一般被保険者と同じ給付を受ける権利があります。

任継になってから妊娠し、出産しても、もちろん出産手当金・出産育児一時金を受け取ることができます。

給付面では確かに得ですが、保険料は自己負担する必要があります。

結婚して、夫の被扶養者になれば、健康保険でも必ず被扶養者として届け出る義務があるかというと、そうではありません。

2つの選択肢がある場合、国民皆保険という原則を満たせば、どちらを選ぶかは本人の自由で、任継を保持することも可能です。

さらに、もう少し有利な方法も考えられます。

健康保険には、喪失後の継続給付という制度があります。

出産手当金・出産育児一時金については、強制被保険者としての被保険者期間が1年以上あれば、任意継続被保険者の資格喪失後、6ヵ月以内の出産も給付の対象になります。

任意継続被保険者の期間でなく、退職前の被保険者期間という点に注意が必要ですが、それさえ満たせば受給権を得られます。

ですから、出産が数力月先に近づいた時点で、任意継続被保険者の資格を喪失し、夫の被扶養者となります。

被扶養者となれば、それ以降、自分の分の保険料を納める必要はありません。

出産が、喪失後6ヵ月以内なら、出産手当金も含め健保の給付を受けられます。

【平成15年:事例研究より】