1年6ヵ月の傷病手当金が切れたらそれ以降保障ないのか【平成15年:事例研究より】

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従業員が、病気で長期療養が必要になりました。

年休がなくなった後、病気休職発令をしますが、収入面で疑問があります。

健保の傷病手当金は1年6ヵ月で打ち切りとなっていますが、その後、保障はないのでしょうか。

【栃木 K社】

健保の傷病手当金は、支給開始の日から1年6ヵ月が限度とされていて、それ以降、健保の保障はありません。

短期給付という性格を持つ健保としては当然のことで、その後は年金に橋渡しされます。

障害厚生年金・障害基礎年金の支給裁定は、原則的には病気が治った段階(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)で行われます。

治療の途中だと、一度認定しても、また等級の見直しが必要になったり、たいへんだからです。

病気が治ったときとは、具体的には次の状態をいいます。

1.器質的欠損もしくは変形または機能障害を残している場合は、医学的に傷病が治ったとき 2.その症状が安定し、長期にわたってその症状の固定性が認められ、医療効果が期待し得ない状態で、しかも、残存する症状が自然経過により到達すると認められる最終の状態(症状が固定)に達したとき 完全に直った場合は、障害年金など保障は必要ないのですから、いわゆる「障害が残った」状態に達したときだけ、裁定が行われるわけです。

しかし、症状が固体しないからといって、年金の決定を先送りしていたのでは、被保険者の生活が安定しません。

そこで、「病気やケガの初診日から1年6ヵ月が経過した日」を障害認定日として、等級決定する規定が設けられています。

治った日もしくは1年6ヵ月が経過した日のどちらか早いほうが障害認定日となるので、認定日段階ではまだ治療の途中という可能性もあります。

ですから、傷病手当金が切れても、それと同じ時期に、障害の認定がなされ、必要なら年金が支給されることになります。

【平成15年:事例研究より】